イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2014 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

主催者講演

3Dデータ活用の新次元
– 最新XVLソリューションの全貌 –

ラティス・テクノロジー株式会社

鳥谷 浩志
代表取締役社長

アベノミクスは、金融・財政政策から第3の矢である成長戦略と移行した。ここで重要になってくるのがイノベーションである。拡大する貿易赤字に対処するためにも、製造業にはイノベーティブな製品を輸出していくことが求められる。海外ではドイツを中心にIndustry 4.0という最新技術を駆使した工場のスマート化への取り組みが進んでおり、日本の製造業の次の一手をどうするかが問われている。

3Dデータ活用の潮流の変化

欧米ではMBDからMBEへ、日本のJEITAでは3D DAモデルから3DDPDへ、JAMA/JAPIAでは3D MasterからDTPDへと、3Dデータ活用の潮流に変化が起きている。これは、図面の代わりに3Dを単独図として活用するという流れから、企業全体で3Dを活用するというグローバルでの潮流の変化である。実は、ラティスは12年前の2002年のセミナーで同じ考え方で3D活用を提案、それ以来、XVLによる6つのソリューションによる3D活用を提唱してきた。現在では、6つのソリューションを連携させることで、3Dデータを企業全体で活用する”XVLパイプライン”により「3Dデータの価値を最大化する」ことができる。

今後、XVLソリューションを以下に述べる3つの軸で進化させることで、日本の産業に貢献していく計画である。これが、《設計~製造・サービス》《Virtual~Real》《BIM~PLM》の”3軸XVLパイプライン”である。1つ目はグローバル化する製造業に対し、国境を越えるコラボレーションをXVLのチカラで促進する。2つ目に、重工業・社会インフラ産業等に対し、過去の3Dモデルが存在しないケースにも、計測点群を利用することで、リアルとバーチャルをXVLで統合した検証を提案していく。3つ目が、製造業のPLMと建設業のBIM(Building Information Modeling)の3DをXVLで統合することである。

設計~製造・サービス

グローバル化する製造業に、XVLは下記4つの作業指示ソリューションを強化する。

1)自動アニメーション
国境を超えて組織が存在する中で、文化と言語を越えて作業指示を伝えるために、3Dの組立アニメーションは有効な武器になる。しかし、現状は、なかなか現場で活用されていない。それはアニメーションを3Dで定義することが面倒だからだ。そこで、3Dの組立アニメーションを全自動で定義するソリューションを提供することにより、80%のアニメーション設定の作業効率化を実現した。

2)バリエーション表現
グローバル化に伴い仕向地ごと製品バリエーションが異なるケースが増える中で、海外工場での生産時に初めて問題が露見するという事がある。そこで一つのXVLの中に複数のバリエーションを表現することで、複数バリエーションの組立工程を視覚化し、作業内容をビジュアルに検討可能にした。この結果、工程の平準や作業の標準化を推進することができるようになった。

3)XVLコンテンツ管理
XVLの活用が本格化する中で、どれが最新のXVLか、XVLから生成された作業指示書などの最新の成果物はどれか、また、それが設計変更にきちんと追従できているかが課題となっているケースが増えつつある。そこで、XVLファイルと成果物であるコンテンツを管理するシステムとしてXVL Contents Managerを開発中である。

4)3D PDF出力
XVLで軽快に編集し、誰もが知っているPDFで配信するというコンセプトのもと、Excelで作成したXVLの3DドキュメントをPDF化し配信する機能を提供した。PDFの閲覧者はAcrobat Readerで3D形状とそれに関連する属性を連動して確認することが可能である。

Virtual~Real

既存の工場のようにCADモデルが存在しないものを利用した検証は多くの会社で課題であった。従来から、これをレーザー計測器で点群化して利用するシステムが提案されてきた。ラティスでは、大規模なCADモデルをXVL化し、大規模な点群モデルと統合することで、現地現物(点群)と未来の設計物(XVL)を統合検証する新製品を開発している。点群は点群のまま、3Dモデルは3Dモデルで利用する。株式会社エリジオンの点群技術と軽量3DのXVL技術とを統合したXVL InfiPointsで実現する。これは古い工場に大規模な発電機を新規導入する場合などの設計や設置手順の検討やユーザーへの納品イメージのプレゼンテーションに有効である。

さらに、ラティスではXVL上でハーネスを配索する「ルーティング機能」をオプション製品として提供する。これにより、軽快なXVLでハーネスを配索し、干渉チェックを行うことが可能になった。このハーネス形状は、作業指示書や取扱説明書内のイラスト制作に利用できる。

BIM~PLM

本日のユーザー様講演はXVLが業界を超えて定着していることを示している。ラティスは、3軸パイプラインにより、製造から建設へと産業を超えて、3次元活用を進化させていく覚悟である。

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2014
講演レポート


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