イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2016 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

ユーザー講演2

XVLパイプラインで実現する真のPLM
– “CAD+1”とplmデータ活用で未来を築く –

ラティス・テクノロジー株式会社

鳥谷 浩志
代表取締役社長

「CAD+1」と「XVLパイプライン」の製品戦略をさらに推し進める

近年における目まぐるしい技術革新と経済動向の中、日本の製造業が世界で戦うための強力なサポートを提供すべく、ラティス・テクノロジーでは現在「ワクワクする製品の開発」「新たなビジネスモデルの創出」「絶え間ない生産性の改善」という3つの軸で貢献してきた。

生産性の改善という点においては、設計のplm(CAD+PDM)資産を、本来の意味でのPLM(製品サイクル管理)の全フェーズで活用するための「XVLパイプライン」というコンセプトに則って製品開発を進めている。加えて、「CADではできないものを可能にする」「実機を越える3次元モデル」を実現する“CAD+1”というコンセプトを目指し、XVLは年々進化を遂げてきた。

最新の「XVL4.0」では、現地現物の点群モデルや機構情報、BIMモデル、後工程で使う製造・サービスBOMなども定義できるようになったことで、Industrie4.0におけるCPS(Cyber Physical System)の中核に位置する「デジタルツイン」を実現できるプラットフォームにまで進化を遂げていると鳥谷は述べる。

「デジタルツインとは、すなわちモノをそのままデジタル情報として表現すること。XVLはPLM情報に代表されるデジタル情報に、現地現物の情報をマッピングすることでこのデジタルツインを実現し、製造業の仕事の在り方を大きく変える技術だ」

CADでは不可能だったフロントローディングへの挑戦

こうした製品戦略の最新の成果が、レーザースキャナ装置でスキャンした現地現物の点群データを、3Dデータと融合させるという試みだ。「XVL InfiPoints」という製品では、現地現物の点群データと、3D CADベースのXVLデータを同じツール上で突き合わせ、設計物の検証をできるようにした。また「XVL Studio Hybrid」という製品では、点群データに構造情報を付加し、3Dモデルと組み合わせることも可能にした。

さらに最新のXVLでは、人体のモデルを取り込んで工場での作業員の姿勢をデジタル世界で事前評価したり、あるいはMR技術と連携することで作業者本人が自分の身体を使って作業を疑似体験することも可能になっている。このようなさまざまな先進技術を駆使することで、3D CADに由来する3Dデータだけでは不可能だったさまざまな事前検証・評価が可能となり、XVLにしかなし得ないフロントローディングの地平がさらに広がりつつある。

量産までの工程コンカレント化による生産垂直立ち上げ

FAシステムのハードウェアは汎用化が進み、PLCのインタフェースも標準化されつつある。そんな中、今後は「PLC上の制御ソフト」がFAシステムの価値を左右することになる。すなわち、量産垂直立ち上げには、PLC制御ソフトの開発プロセス最適化が不可欠になってくる。

そのためにラティス・テクノロジーはこれまで、「XVL Kinematics Suite」によるメカの先行検証環境や「XVL Vmech Simulator」によるソフトの先行検証環境を提供し、ハードとソフトのコンカレント開発体制を支援してきた。これらに加えて昨年からは、これらツールを使ったコンカレント開発の運用を支援するサービスも始め、好評を博している。

最後に鳥谷は、今後のXVLソリューションの戦略について次のように述べた。

「各工程に対応するソリューションをさらに充実させ、今後は『plm+XVLパイプライン』という形で、お客様が望む『真のPLM』の実現を目指す。そのために、ユーザーの皆さまとあるべきプロセスを構築しながら、それを支えるXVLのソリューション群とXVLの情報基盤を強化していく考えである」

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2016
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