イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2012 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

主催者講演

XVLパイプラインで実現するものづくり革新

ラティス・テクノロジー株式会社

鳥谷 浩志
代表取締役社長

ラティスは「3Dで世界を変える」という意気込みで創業し、今年で15年目を迎えた。この間、製造業において3D設計は急速に普及したものの、そのデータ活用は、いまだにCAD/CAEといった設計上流での活用が大半を占める。ラティスの開発した3D軽量化技術XVLは、ものづくりの全工程で3Dデータ活用を推進するために考案され、設計から生産技術、工場、サポートに至るまで幅広く採用されてきた。高額な3D CAD への投資を全社での徹底的な3D データ活用によるQCD 改善で回収しようという動きが、ようやく一般化しようとしている。

六重苦にあえぐ製造業にあっては、新興国の経済力の向上と円高の影響で、製造拠点の海外移転が加速している。日本にあった設計や生産技術の機能でさえ、消費地の近くに置く企業も増えている。このような潮流を支援するため、ラティス社では、分散した拠点間で情報を共有するための作業指示ソリューションと、安価に高品質のマニュアルを作成するためのイラストソリューションを強化してきた。

「XVL Studio Standard Ver11.0」では、XVLで工程を定義するだけで、簡単に製品の組図を作成する機能を提供する。また、XVL Studioの「イラストオプション」では、線画と面画が混在するイラストを作成する機能を実装したことで、より分かり易いイラストを即座に表示することが可能になった(図1)。

3D CADデータをXVLに変換することにより、設計のデザインレビュー、工程設計と作業性の検証といったソリューションを設計や生産技術部門で活用できるようになる。作業指示やイラストソリューションが強化されたことで、3Dデータを広く工場やサービス部門で利用することが可能になる。さらに3Dデータ活用の裾野を拡大させるのがiPadでの3D表示機能である。2011年末に無償配布を開始した「iXVL Player」は、アップル社のiPadやiPhone 上で軽快に3D表示することを評価され、そのダウンロード本数はうなぎ上りである。

図2に示すように、これまで複雑な図面で表現されていた寸法や属性を含め、iPad上の3Dモデルから指先だけで参照できるようになった。これは海外での製造時にも極めて有効であろう。 このようなiPad とXVL の融合は、これまでの製造現場の風景を一変させる可能性を秘めている。設計や生産技術、製造現場にXVL による3D データ活用ソリューションが定着すれば、そこに「ものづくり情報の流れ=XVL パイプラン」ができる(図3)。

このXVLパイプラインに流れる情報をパソコンに加えて、タブレットPCやスマホでも取り出し、作業指示書やサービス部品表、プレゼンへと活用することが可能になる。設計部署は、多大なCAD 投資を行ってきた。上流に蓄積された3D モデルは設計情報そのものである。

これに製造で必要とする属性を付加して、ものづくり情報としてXVL パイプラインに乗せて流通させる。設計情報のよい流れを実現することで、高額な3D CAD 投資の効果を最大限まで引き上げることができるのである。。

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2012
講演レポート


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