イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2015 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

パートナー講演1

お客様とアルゴで一緒に考える3D活用
- 3D活用=業務改革 -

株式会社アルゴグラフィックス

細谷 涼子 様
営業本部 PLM第二ソリューション統括部

株式会社アルゴグラフィックス 営業本部 PLM第二ソリューション統括部 細谷 涼子 様

会社概要

株式会社アルゴグラフィックス(以下、アルゴ)は、1985年に設立された企業であり、タイ、ベトナムの子会社を含め販売サポートを行っている。

主な事業としてXVL/CATIA V5を中心とした『PLMビジネス』、解析など大規模データを取扱う『HPCビジネス』、システム連携に必要なネットワーク/ハードウェア構築の『サーバソリューションビジネス』、教育、ソフトウェア開発や人材派遣などサービスを提供する『サービスビジネス』の4事業を軸に付加価値を創造するテクニカル・ソリューション・プロバイダーとしてビジネスを展開している。

3Dデータ活用の現状

昨年の講演でもご説明した内容として、設計部門では3次元CADの導入が進み3Dデータも蓄積されデザインレビューや解析、資料作成など実務において3Dデータの利用が広がっているが設計部門以外では3Dは提供されるものの『形状をただ見ているだけ』であり、図面と部品表情報の活用が主体である。

ここにきて人材も代替わりしており「図面に慣れていない」「図面が読めない」社員が増えていることと、会社として「海外メーカーとの競合」「品質向上」を課題としているため、出図前から準備に取り掛かる=「3Dがあるから使うのではなく使うために作る」方向に変わってきた。

しかし現状としては、2次元図面に入力する表題欄情報を3Dに属性として入力していない、部品表とモデルの数があっていない、設計変更が発生した際、2次元図面は変更するものの3次元データは変更しないなど運用上の課題があることも事実である。

アルゴが考える3Dデータ活用

このような現状においてアルゴとしては、業務上どのような情報が必要なのか?最適な「伝える方法」とは何か?「道具主導」ではなく「業務主導」という観点で提案を行っている。 アルゴではXVL立ち上げ支援において、ただ機能の説明だけではなくお客様の業務を意識した『サポート』『教育』のご提供、業務におけるXVL活用の課題を解決するべく『業務支援』のサービスを行っている。

アルゴが支援をしてきた複数の事例をご紹介する。

事例①『他部門間のコミュニケーションツールで活用する』

【課題】
までA社では出図および試作完成後に指示書を作成する業務フローであり、生産側要望を盛り込むことは出図後となるため、設計変更発生時に手戻り工数が大きくなる課題を持っていた。

【改善方針と効果】
そこで出図する前に3Dデータを展開することで、生産部門において出図前に問題点抽出が可能となり設計部門へのフィードバックする取組を実施した。 出図前に生産側の『意思入れ』『品質の作りこみ』が可能となり、試作回数や設計変更回数を減らすことに成功、さらに生産準備に十分な時間の確保をすることができるようになった。

【ポイント】
出図前に3Dデータと生産側の要望や変化点などの情報が記載される『要望チェックシート』を準備し、XVLによるバーチャル検証を実施した。『要望チェックシート』に記載のない問題点などは、XVL Studioの注釈ビュー機能で記述した上で設計へのフィードバックを行っている。この取組により従来の業務に比べ、出図前に60%の問題点の洗い出しが可能となった。

事例②『帳票標準化・自動作成』

【課題】
図面、部品表、試作実機が揃わないと作業帳票の作成に取り掛かることができず、特に設計変更が発生した際、最初から帳票の作成をやり直さなければならない手戻りも発生しており、作業指示書作成に十分な工数を確保することができない状況を課題とされていた。
またXVLでは複数の担当者がそれぞれ担当の帳票を作成することができるためその機能の活用を検討したが、担当者ごとに例えば『全角カナ』『半角カナ』など入力方法が異なるケースが発生、帳票品質についてバラつきが発生してしまった。

【改善方針と効果】
そこで出図前にXVLデータを受け取るように業務フローを変更、生産側での標準工程、作業標準を使用することで品質のばらつきがなくなった。また帳票作成を自動化することで工数削減効果を得ることに着目した。

【ポイント】
帳票作成を自動化する場合、従来からある標準機種における標準工程をXVL Studioに取り込むことにより有効利用が可能となる。また設計変更が発生したさい標準機種の作業標準とXVLを利用することで変更部分の工程のみ作成、そのまま帳票作成することができるようにしている。
結果的に手入力を省くことで、誰が作成しても同品質の作業帳票作成が可能になった。またUNICODEにも対応しているため言語ごとに切り替えた表現が可能となり、海外展開も容易にできるなど派生的効果も生み出している。

事例③『溶接ソリューション』

【課題】
出図された図面を用いて現場展開用の帳票、溶接ロボットに組み込むための治具配置図、ロボット到着範囲図、溶接打点図という溶接機に設定するための帳票を手作業で作成していた。そのため出図されるまで待たなければならず生産準備に時間が必要となり、結果的に納品までのリードタイムを有していた。また手入力のため転機ミスも発生していた。

【改善方針と効果】
アルゴとして業務フローを調査した結果、溶接打点図作成の効率化に着目した。設計がCADに溶接条件情報を入力しており、CADと親和性の高いシミュレーションソフトを活用すること、さらにXVL変換および帳票作成の自動化を狙い Lattice3D Reporter およびLattice3D Reporter SDK を活用する効率化提案を行った。

【ポイント】
溶接に関するシミュレーションソフトを取り入れることにより、設計者が入力する溶接情報を活用し打点検討の最適化およびXVLを活用し提携フォーマットに自動的に溶接打点図を作成する仕組みを構築した。
結果的に帳票作成工数および人為的なミスの大幅な削減を実現した。 アルゴがこれまで培ってきたCAD関連のソリューションとXVL活用のノウハウを組み合わせ業務効率化の事例である。

その他の活用例

その他の3D活用として、設備レイアウトの検討においてMR(Mixed Reality)を利用した事例もある。既設の工場にバーチャルの新しい設備を合成することでよりリアルに検証する支援も行っている。

まとめ

アルゴでは主役はお客様と考え、道具主体にシステム化をするのではなく、業務を中心としたシステム化提案を行いお客様への支援を強化していく。

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