イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2015 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

東京・名古屋会場

3D活用からPLMデータ活用時代へ – 超大容量3Dデータが拓く未来 –

ラティス・テクノロジー株式会社

鳥谷 浩志(代表取締役社長)

鳥谷 浩志(代表取締役社長)

3D活用からPLMデータ活用時代へ

これまで、XVLを使った3Dデータ活用のためのさまざまなソリューションを提供してきたラティス・テクノロジーでは、現在「3D活用からPLMデータ活用時代へ」というキーワードで、新たなソリューションコンセプトを打ち出している。その背景には、もの作りを巡る昨今の環境の変化があると鳥谷は指摘する。

「現在、IoT技術を活用した『スマートな工場』の実現に向け、ドイツのIndustrie4.0をはじめとする新たな取り組みが始まっているが、これが実用化されるのは2025~2030年ごろだと見られている。それまでの間、日本企業が競争力を維持・強化していくには、生産技術力が鍵を握ることになるだろう。ITへの投資も、設計フェーズを主対象としたCADから、設計以降の生産フェーズに重心が移っていく」

こうした背景を踏まえ、ラティス・テクノロジーでもこれまでの「3Dデータ活用」に加え、今後は設計部署を中心に蓄積されてきた”PLMデータ”の活用を強調していく。具体的には、以下の3つのポイントに重点を置いてソリューションを開発・提案していく。

グローバル分業を支援するPLMデータ活用

1つ目のポイントは「3Dデータ活用からPLMデータ活用へ」。もともとは、データ容量が巨大な3D CADの3Dモデルデータを軽量で扱いやすくするために誕生したXVLだが、形状データに加えさまざまな構成データや属性データを扱えるよう、拡張されてきた。その結果、現在では構成情報に加え、組立工程情報まで管理できるようになり、PLMデータを表現できるまでに進化を遂げている。

周辺ツール製品も、例えばXVL StudioにPDF出力機能を加えることで、3Dの作業指示書をXVL Studioを使って迅速・柔軟に編集し配信可能にしたり、PCのOfficeアプリケーションやタブレット端末上で簡単に参照することを可能にした。あるいは、パーツカタログや取り扱い説明書などの各種ドキュメントの作成を、XVLに内包されたPLMデータを基に自動化するソリューションも実現されている。なお現在、こうした一連のコンテンツ作成フローを一括して管理・制御できる「XVL Contents Manager」と呼ばれる製品を開発しており、今年中の正式リリースする。

デジタル検証の幅を広げる超大容量3D&“CAD+1”

2つ目のポイントは、メカCADを越えた効率化の手法を考えていく必要があるということ。そのための戦略として、ラティス・テクノロジーでは「超大容量3D」と「CAD+1」というコンセプトを提唱している。CADアプリケーションが64ビット化され、より大容量の3Dデータを手軽に扱いたいというニーズが高まる中、昨年末に発表したXVLの新バージョン「U-XVL Ver.11」では旧バージョンと比べ大容量3Dデータを2~5倍のパフォーマンスで扱えるようになった。また2015年4月には、形状データを参照のみとすることでI/Oパフォーマンスを約100倍高速化できる機能も追加された。こうして大容量3Dデータを高速に扱えるようになったことで、仮想空間上で部品の着脱性の検証や着脱経路の自動算出を製品も実現した。

また「CAD+1」とは、従来のCADに別の要素を加えることで、これまでにないまったく新たな価値を創造するというコンセプト。例えば、3D CADのモデルデータをXVL化したデータと、3Dスキャナで現地・現物を点群化したデータを統合し、CADモデルなしでもデジタル検証ができるようになる「XVL InfiPoints」という製品を昨年リリースしている。またXVLをキヤノンのMR(Mixed Reality)技術と連携することで、デジタルモデルと自身の身体動作を統合し、作業を疑似体験できるソリューションも提供を開始した。

生産リードタイム短縮を実現するEquipment Lifecycle支援

3つ目のポイントが「Equipment Lifecycle」の支援。Equipment Lifecycleとは文字通り、生産設備のライフサイクルを意味し、その開発や保全のライフサイクルの短縮が、生産技術力のさらなる向上や、製品のタイムリーな量産と収益最大化には欠かせないと鳥谷は指摘する。

「PLMを活用した製品開発フローのコンカレント化・フロントローディングはさまざまな企業で進められているものの、生産設備の開発はコンカレント化が進まず、製品の市場投入までの時間のボトルネックとなっている。そこで、ラティスの仮想メカシミュレーション製品「Vmech」を使い、生産設備の実機が出来上がる前に、XVLで表現された仮想メカ上で制御ソフトの開発を先行して行うことで、開発プロセスの短縮や制御ソフトの品質改善が図れる。ラティスでは、これを支援するための仮想メカによる検証サービスも提供する計画である」

ラティスでは、この3本を柱でIoT時代のあるべき製造業のプロセス確立に貢献していく。

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2015
講演レポート